イベント出店を終えて思う事:ハンドメイド品販売活動とSNSの相性
はいこんばんは、暑さで煮溶けております、煮くずれです。
そういえば昨日大根の煮物作ったんですけどね、面取りさぼったからやっぱり崩れたね。仕方ないね。
そうそう、先日市内のハンドメイド系イベントに出店してきました。
この辺に関してはtwitterでもしょっちゅう呟いておりましたな。
ブースの雰囲気はこんな感じ。テーブルクロスの統一感が無いのが悔やまれる点ですが、年に1度しか出ないイベントのためにクロス代に経費はかけられなかった!
このイベントへの出店は2年前から出始めて今回で3回目。
売上で言うならば、初めて出た時の3倍以上、予想売上をだいぶ上回りました。
本当にありがとうございます。
で、この2年間で自分が実践してみたマーケティング戦略(というと大げさだな)について備忘録がてら書かせて下さいまし。
本当に自己満足!手前味噌だからね!!!
二年前までの自作品のラインナップ
一昨年初夏から本格的にハンドメイド品を販売する活動を始めましたが、その時点で私が作って売っていたものは以下のものがメインでした。
・ガーゼハンカチ
・巾着
・小さめのポーチ(母子手帳が1冊入るかどうか)
・通園通学バッグ
・ヘアゴム(手編みの花モチーフ付き)
上の4つ(布小物)に関しては、使用している柄は「花柄」「猫柄」「エレガントな和風」「ポップな感じの車や電車柄」「生地屋の売上ランキング上位の売れ筋」ばかりでした。
ヘアゴムもピンクとか赤とか薄紫とか水色の糸で作ってたなー
とにかく子供向けのものを色々取り揃えておけば何とかなると思ってました。
というのも、当時まだ仲良くしていたハンクラマダムや他の知人から
「こういう生地がよく売れる、初心者なら売れ筋の生地で乳幼児向けのグッズを作った方が手に取ってもらえる。売りたいならそうした方がいい」
とアドバイスを受けていたので、間に受けて作っていたんですね。
当時の売上?正直良く売れたとは言い難いものでした。
初めて出たイベントの売上は参加費を割っていたし(フリマブースもあったからかもしれない)、当初は自分の作品の完成度が低いからだ、ディスプレイが駄目だったからだ、と大いに反省しました。
他のブースを見て回って考察してみた
その後、近隣のイベントで他のブースを見るなどしてディスプレイ研究や、販売品のラインナップについてどんなものがあるのかを研究する事に。
するとこういう傾向が見えてきた!
・売れ筋の生地は多くのブースの販売品に使われている
・和風系生地はがま口やじゃばら財布などの和小物ブースでよく映える
・子供向け小物を扱ったブースは結構多いし雑多感が否めない
・ガーゼハンカチ、スタイ、ポケットティッシュケースは多くの作家が作っている
・むしろ猫柄など動物柄の使用率高いな!
あれ?このままだと自分のブースってものすごく「ありふれた、どこにでもいる印象に残らないブース」になってしまわないか?と気づいたのです。
ましてや当時メインにしていた品物はどれも利益率は正直低い。
間違いなく埋没してしまう。
そして転勤族2年目だった私、この土地に知り合いもほぼおらず、この時点で「わざわざ買いに来てくれるお友達」もゼロ。(ハンクラマダムとは既に袂を分かっておりました)
つまり、友達やまたその別のお友達に……という売り方は無理。
こりゃあれだ、何かに特化して印象に残る作戦にシフトした方がいいんじゃないか?と気づいたわけです。
自分の好みに正直になった昨年のイベントでの売上傾向
で、今まで小物を作っていて、果たして楽しかったか?と思い返してみました。
正直、作っていてもあまり楽しくなくて、「作らなきゃ、売れるものを作らなきゃ」という義務感と強迫観念に追い立てられ、あまり自分が好みではない生地を前にただひたすらにミシンを稼働させていたわけです。
そこで色々と考えた。
どうせ売れないなら、好きな柄で作った方がいいんじゃないか?
自分が作っていて楽しいものの方がいいんじゃないか?
他の人とかぶらないものを作った方がよいよな?
とその時に答えが出た気がします。
というわけで主力商品から「子供向けの小物」を削り、「自分が『あったらいいな』と思った物」をメインに据える事にしました。
銀行や病院に行くときに通帳や手帳、カードを入れておけるポーチ。
ちょっとした散歩や買い物の時に持って行けて、汚れたら洗える丈夫なショルダー。
普段の生活で自分が欲しかった、便利だと思った物は、もしかしたら誰かのお役立ちになるかもしれない。そんな気持ちで作っていました。
試行錯誤していた頃に参加したイベント(2016年秋)での売上は、前回の2倍以上でした。
そのイベントでの反応を見たうえで、更に自作品のラインナップを絞る事に。
おしゃれ和風系生地はこの時点で新規購入を止めました。
その代わり、生地は自分の琴線に触れたものを取り入れまして、なるべく売れ筋から外れたものをチョイス。
昨年の時点で使った生地は、例えば人参柄、鳥獣戯画、惑星、おにぎり、寒色系の北欧柄、蛍、英字新聞、魚、デニム系が8割。基本変な……いやいや味わいのある柄です。
さーてこれで臨んだ3度目のイベント。(2017年春)
売上はいかほどだったかというと、前回の更に2倍(初めてのイベントの4倍以上)。そしてポーチとショルダーはほぼ完売。
「面白い柄がいいですね~」「この柄が気になって」と立ち寄って下さる方が本当に多かったです。
あ、私のブースのコンセプトはこれでいいんだ、と自信がついた瞬間でした。
そして同じスタンスで臨んだ先日のイベントはと言いますと、前回よりも売り上げ大幅増、同じイベントに初めて参加した2016年の3倍の売上でした。
(今回はおむつポーチなど新規商品もあったお陰だとは思うんですけどね)
まさか自分がここまで達成できるとは、2年前は思ってもいなかった。
そして年一度の参加とはいえ、パートと両立もなんとか出来た!お疲れ自分!
実際、ハンドメイドでの販売活動にSNS活用って効果があるのか?
さて、かつて「この記事」でも書いたのですが、ハンドメイドなどのクリエイティブ活動における集客にSNSを活用するのは起業セミナーにおいてはもはや定番手法として伝えられているようで。
主なやり方としては、「アメブロやインスタ、FBでお友達や読者を増やしまくっていいね!しまくる」というやつです。
顔出し、本名、活動地域も載せて、毎回記事にその単語を織り交ぜろ、とかね。
(検索で引っかかりやすいようにするためなんでしょうけどね)
あと日常の事とか人となりが分かる事も書いて、親近感や人柄に惚れて貰うような記事を書け、とかね。
ですが私はその手法に大いに疑問がありまして。
そもそもネットで拡散・観察されやすいこのご時世に、主婦が顔出し&本名&居住地域書くのはだいぶ危ないんじゃないかと。
あと「ハンドメイド品売るのに作家の本名、顔、人柄や生活って関係あるのか?」という点に引っかかっていたのです。
例えばとても素敵な小物やアクセサリーを作っている人が、屈強なひげ面のムキムキボディの男性だったら買うのを止めるのか?答えは否だと私は思います。
余談ですが、私が好きなガラス玉アクセサリーを作られている方は還暦を過ぎた親しみのあるおじ様です。本当に普通の格好をして、畑にいそうな感じの雰囲気です。
それでもその方の作る作品はとても素敵なので、イベントでブースを見かけたら購入します。作り手が男性だろうが女性だろうが、年齢がいくつだろうが「素敵だと思ったから買う」なのです。
手作り品って、基本的には「自分の好みや需要に合っていて、欲しいと思ったら買う」ものだと思っています。
そりゃ中には「この人は見た目や生活風景が素敵だからきっと作るものも素敵なはず!何でも買う!」という信者みたいな方もいらっしゃるかもしれない。でもそれは多数派ではないでしょう。
例えばよくあるキラキラ主婦(インテリアや料理がおしゃれで、本人もセンスが良くてランチの写真が多いような)が、ものすごいオカンアートなセンスの小物を作っていたら買いますか?信者なら買うかもしれないけれど、おそらく多くの人は「うーん……」と感じて買わないかもしれない。
顔や本名、居住地域を出して効果があるのは、多分自宅や公民館などで講座や教室をやっている人なんだろうなと思うのです。やっぱり自分が出向いてサービスを受けるなら、どんな人か知っておきたいでしょうから。
ちなみに私がこの2年間やってみたSNS活用法としては、イベント前(自分が出展申し込みをして参加が確定した時点)で各SNSで発信。
どういう商品を売るか、どんな使い勝手の良さがあるか、大体いくらぐらいか、など「客が知りたい情報」をメインで出す。
ハンドメイド品を求めるお客様視点で見た時、まず知りたいのは商品の概要なんだろうなと考えました。
イベントに出ていない時期は、とりあえず作ったものを淡々とアップ。インスタにも完成後の写真をアップ。
ネット販売の前も同様に告知を2回ほどアップ。
ランチだ外出だ、子供の事だ、その辺りの記事はもうアップしない。
もうこれだけです。
ちなみに今回のイベントで、SNS見ました、という方の人数を少しカウントしました。
・インスタ→4名
・アメブロ→0名
・twitter→6名
アメブロ、イベント1か月前から結構更新してたんだけど全くいなかったw
そういえば今までのイベントでもアメブロ見てます~はいなかったな。
いいね!してくるのもリアルの知り合いか異種業者ですし。エステサロンとか美容室とか関係ない業者やんけ……
特に人が多く来るイベントにおいては、事前にブログやインスタをチェックして訪れて下さる方より、ザッピング感覚でブースをひとめぐりする方の方が圧倒的に多い。
それなら、ディスプレイや販売物でインパクトを与えた方がよほど効率的。
実際自分はそれで予想売上を超える事が出来ました。
大成功、というには烏滸がましいですが、道筋としては間違っていなかったんじゃないかと。
つまるところ、ハンドメイドで起業してSNS活用して集客~って実はかなり難易度高いのではないのでしょうか。特に地方都市の、小~中規模イベントをメインに活動している範囲においては、ですが。
実際その手法を未だ固く信じているらしいハンクラマダム達の売り上げが如何ほどかは知りませんし別に探るつもりもありませんが、「セミナーやお茶会で知り合ったお友達同士」で購入し合い、身内だけで出店する小規模イベントをハシゴしているうちはまあ、内向きの活動にしかならないのでしょう。
と、自分の性格の悪さを露呈させたところでお開き。
私も今回の結果に奢ることなく、今後も淡々と作りたい生地で作りたいものを作って、溜まったら売りまーす。