どうあがいても煮物は崩れる

基本的に分量は無視するスタイル。淡々と吐き出して整頓。

引き際まで潔く

 

すごいつかれたもうねむい。煮くずれです。

 

ここ最近パート仕事がとても忙しいです。

パートなのに本来社員がやるべき仕事が回ってきてしまい、やむなくこなさざるを得ない状況。

 

あ、でも今度から少~~~~しだけ給与が上がる予定です。

この業務内容・量で最低賃金維持とか言い続けてたら、春までに退職届とくさやの干物を職場に放り投げてトンズラこいてたでしょう。間違いなく。

ダメもとで交渉してみるもんです。

 

ちなみになぜ仕事が忙しくなったかといいますと、それまで主力だった社員さんが定年を迎え退職。

その関係で社員の人たちがやるべき仕事が増え、ところてん式に押し出された仕事がパートに回ってきたわけです。

そして、パートの中で経理経験者が自分だけなので、やむなく。

その辺についてはだいぶ抗いましたし交渉もしましたが、そうも言ってられない状況なので本当に仕方なく、です。

 

 

今回退職された方は、男尊女卑が色濃く残るこの会社で30年以上勤めあげた豪胆な女性社員さんです。

お子さんを育てつつ、参観日も病気の時も全て自分の親御さんに預けて仕事優先。御自身もインフルの時以外は休んだ事が無いとの談でした。

女性らしい気遣いは忘れず、けれど男性に引けを取らない働きっぷり。

 

それでも、退職直前の役職は平社員の1つ上のままでした。

 

男性社員ならば、入社5年ぐらいの人がなる役職です。

この方の同期は多くが役員や部長クラスに出世しています。

その辺については色々と思う事があったようですが、かつて

 

「あたしは女だからね、仕方ないんだよ。この会社では女は階段を上らせてすら貰えない。ずっと踊り場にいさせてもらえただけでもありがたいと思ってるよ。でも30年以上いても、この会社の事は好きになれんかったわ」

 

と自嘲気味に話していたのが印象的です。

 

そして、退職するらしいという情報が流れたのも今月半ばの事。

送別会もお餞別も要りません、お花も結構ですから、と全て断り、実質最後となった出勤日も「じゃあお疲れ様」と定時になったらさっさと帰ってしまったそうです。

しかも本来の「出勤最終日」は有休をとり、会社にすら来なかった……

 

最後の日ぐらい何かお礼の言葉を言おう、と思っていた全従業員は唖然でした。

社員からの「お世話になりました、ありがとうございました」の一言すら言う隙を与えず、潔く去っていく。

情を見せず、持たせず。

しんみりさせる雰囲気を一切作らせない。

 

長年一緒にやってきたのに水臭いよなあ、とその方の同期にあたる重役の方々はぼやいてましたが、きっとこの引き際を前から考えていたんだろうな、と思っています。

先ほども書いた「この会社の事、好きになれんかった」という言葉はきっと本音だったんだろうな。

 

私が今まで勤めてきた会社には、必ず一人は「お局様」がいました。

しかも全員そろって「同性にきつい、嫌味っぽい、男性には甘え声、不利に立たされると泣くか喚くかゴネまくる、自分のミスは部下に転嫁」という典型的なダメウーマン。

どこの組織にも必ず一人はこういうしょうもないお局がいるんだなぁきっと、と思っていたのに、今のパート先にいた大先輩女性社員は「強くて仕事の出来る、自立した尊敬すべきおば様」でした。

 

家庭よりも仕事優先だったのは、きっと時代もあったんでしょう。

当時はそうしなければ生き残れなかったんだと思います。

男性優位の業界でしたしね。

 

定年後をどう過ごすのかすら「さあねえ、どうしようかしらね」とさらっと流し、私生活も殆ど明かさない。

ずっと仕事一本でやってきた方がこの余生をどう過ごされるのか、想像すら出来ませんが、やっぱり伝えたかったです。

 

「ありがとうございました」


 しかし今も昔も女が働くこの難しさってあまり変わってない現実。