どうあがいても煮物は崩れる

基本的に分量は無視するスタイル。淡々と吐き出して整頓。

滅私奉公なんてくそくらえ

うえーい寒いぞ寒いぞ、煮くずれです。

 

巷ではどこぞの絵本作家さんが「ぼくのかんがえたりそうのおかあさん」像をまるで母親の代弁者のごとく歌詞にしちゃって大々的に発表したもんだから炎上しておりますが、あの歌詞を見て思ったことは「母親は子供に滅私奉公する事が美徳」と思い込んでいる人が未だに多いのだなあ、と。

 

そして、今の時代は「滅私奉公なんてやってられるか!」とお母さん達が段々声を上げられるようになってきたのかなとも思います。もちろん私もその一人。

 

twitterやってて一番救われたのは、同じように思っているお母さんがこんなにもいる!というあたりかな……キラキラしてない、超人ではない、育児と家事にもがき苦しみ「つらいぃぃぃぃ」と吐露する人間のお母さんがいるー!って嬉しかった。

 

子を産んだ途端に夢を諦め、趣味を捨て、生活リズムも変え、全て子供中心の日々。

 

いや実際そうせざるを得ないのが事実なんですけれど、それを第三者に強制されたくないんですよ。

母親自身が能動的に「あー子供いるし今はしゃあないか」と一時的に、もしくは恒久的に諦めて捨てるのはあくまで自己判断ですからね。うん。

 

でも父親は大抵趣味とか生活リズム、そのまま継続しているパターンが多い。

こんにゃろう、お前ばっかり、ってなりますわ、そりゃ。

 

で、件の歌詞は「母親なんだから子供のために色々諦めたのよ、でもあなたのためなのよ、だって母親だもん」「いいでしょこれ泣けるでしょお母さんたちってこんな感じだよね!ね!ね!感動してよ!」ってこれでもかとグイグイ押し付けてくるんですよ。

 

あのな、諦めさせないでくれ。

子を産んだ途端に滅私奉公するための存在という枠にはめないでくれ、外野が。

母親だけど隙間時間に趣味や何か楽しむのもいいし、働き続けたっていいんだよ。

そもそも働いている時も別に強がってないけどな!金稼ぐためだからな!

 

 

というわけで滅私奉公なんてやってられっかー、な私は先日ひとり旅に出てきました。

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相棒は私のエアロちゃん(通称)。サムソナイトエアリアル×エアロスミスステッカーだから。

 

旅先ではしこたま美味しいもの食べました。

豚骨ラーメン最高だった。

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夜はもつ鍋とお酒と馬刺しでしっぽりまったり。

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翌日はオサレな店で優雅にランチ。

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いやー、子供がいたらまず無理なプランですこれ。

初日と二日目、それぞれ現地に住む友人に案内して貰いながらの旅でしたが、常に子供や夫の存在を気にしなくていいというこの気軽さ!!身軽さ!

周りに迷惑をかけていないかとか、ご飯も子連れで入れるところを……とか、ここ4年はずっとそんな感じの旅行で、実際私自身は「旅行を楽しめて」はいなかったんですね。常に気を張っている状態。

新幹線から見る車窓の風景も、子連れじゃゆっくり見られなかったですし。

 

元々旅行好きだったので、ようやく「旅の道中も旅先も楽しめた」気がします。

家族旅行だと行列が出来るお店とか、お酒飲める店とか、バーとか行けませんからねー

ただ街を歩く、城跡や公園を散策する、それすらも新鮮で楽しい。

いやー本当に独身時代に戻った気分です。最高でした。

 

今回の旅行については、「西日本にいるうちに、会いたい人に会っておきな」と夫も快く送り出してくれました。転勤族の自分と結婚した事で、友達になかなか会えなくなった事を実は心配していたようで。おお、菩薩かな?

お礼に土日ワンオペ中ほとんどの食事を外食とインスタントで済ませた事は咎めずにいよう

 

今度は夫のひとり旅を見送る側になりますが、こんな感じでバランスを取らなきゃ転勤族&核家族の子育ては精神的にもちません。

 

実家も遠く頼れる人もいないユニットだからこそ、互いに休息は必要。

そして「母親なんだからひとり旅や娯楽に興じるなんてけしからん」という考えはもはや古い。古すぎる。

そこの旦那さん達よ、あなたの奥さんには休めてますか??あなた達が仕事で忙しくしてる間、妻達は母親業を年中無休でやってるんだ。妻に笑顔でいて欲しいなら、一日でいいから休息をあげて下さい。切に願う。

 

私の親世代は母親イコール滅私奉公の考えがしみついているので、今回の旅行のことを実母が知ったら間違いなく罵声の嵐でしょう。

里帰りの間から言われてましたからね、「子供が生まれたら親は遊んじゃいけないの、子供のために全部捨てて子供のために生きるんだ。旦那さんに預けて遊ぼうなんて碌でもない」と。

 

そしてその呪縛に長年とらわれた母は、私に言うのですよ。

「お前たちがいたからお母さんはずっと我慢してきた」と。

これ言われて育ったら「生まれてすいません、てかそこまで我慢するぐらいなら作らないで下さい」って思いますわ。

 

母親が滅私奉公してまで育児する時代はもう終わり。

家庭と子供を蔑ろにし過ぎるのは良くないけれど、「母親だって選択の自由はあるし、楽しんでいい」という意識が男性にも中高年にも、そして誰かにかけられた呪いの中にいる女性にも早く根付くとよいなと思うのです。

 

それにしてももつ鍋最高だった。