どうあがいても煮物は崩れる

基本的に分量は無視するスタイル。淡々と吐き出して整頓。

あの教団の残滓に一瞬でも近づいた話

煮くずれです。

いやー昨晩はものすごい雨でしたね。

私が住んでいるエリアでも大雨特別警報だの、市内全域避難指示だの、ひっきりなしにスマホのエリアメールがけたたましく鳴っておりまして、ただならぬ雰囲気の中一晩を過ごしました。

 

結局眠れなくてW杯見てましたけど!

フランス強いしベルギー強いし……てかあのベルギーから2点取った日本代表強くないか。逆転負けしてしまったけど、今回戦ったブラジルとも遜色ない戦いをしてたよ。

 

さて、昨日報道された大きなニュース。

オウム真理教関係者、7人の死刑執行

 

平成初期の大きな事件が、平成末期に教祖の死刑執行という形で幕を引かれようとしています。でも事件に関わった被害者の方々、遺族の方々にとってはこの先も終わる事の無い事件です。何故なら教祖麻原は何も真相を語らぬままでしたから。

 

オウム真理教と言うと、教団幹部にやたらめったら高学歴集団がいた事でも話題になりましたっけ。

科学実験大好きおじさんとか、遺伝子工学学んだ人とか、「何でこんな教団に入っちゃったの?犯罪に手を染めてしまったの?」という人がぞろぞろいました。

彼らは彼らなりに何か思う事があってオウム神仙の会とかに足を踏み入れたんでしょう。

 

で、ここから私の大学時代の、うっかりすると笑い話にならない思い出をひとつ。

 

大学に入りたての頃、特に入りたいサークルも無く、色んなサークルを見学しては去る、という流浪の学生をやっておりまして。

その頃、1年生全員が受けるカリキュラムの中に「インドの仏教と死生観」という講義があったんですね。

で、何となく興味があった私、ちょうどいい具合でそのコマの時間帯も空いていたしということで受講していたのです。

 

それは3回目の講義を終えた頃、GW直前の頃でした。

講義が終わって部屋を出た私に、2人組の女性が声をかけてきたのです。

 

「こんにちは、1年生だよね?インドの雑貨とか音楽は好き?」

「私達、インドの文化などを楽しむ同好会をやってるんで、良かったら見学に来ませんか?今日4時から●●●教室で集まる予定なので、ぜひ」

 

ごくごく普通の、少しあか抜けない感じの女子学生からそう声をかけられて、「ふーん、そういうサークルもあるんだ」と何一つ疑わず、その日の集まりを見学しにする事にしました。

インド雑貨というと、マライカという民族雑貨店が好きでよく通っておりまして。

インド音楽もインド映画もそこそこ嗜んでいたので、どちらかといえば興味がある方だったのです。

 

で、その日の夕方に同好会の集まりを見学に行きました。

誰かが持ち込んだノーパソからインドっぽいBGMが流れ、向こうの本とか、生地とか、雑貨がちょこっと置かれていて、教壇の周りの机を固めるようにして同好会の学生が談話しているスタイルでした。

説明を聞くに、

「インドの文化や雰囲気、仏教などに興味がある人の集まり」をベースに、

具体的には

「日本に住んでいるインド人やネパール人との交流」

「ヨーガなど向こうの健康法、美容法の体験」

「希望があれば自費でインドに行ける」

という活動をしているようで。

確かに同好会です。本当に「それが好きな人」しか集まってない。

 

ですが、会長と呼ばれていた男性からのとある一言で、何だか嫌な予感がしたのです。

「月に一度、ヨーガを教えてくれる道場に行って、お話を聞いたり広報活動をします」

 

ヨーガの道場?

広報活動?

 

何だか嫌な予感がしたのです。

当時からさかのぼる事数年前、とある集団の道場を巡って県内で色々なトラブルがあったと報道がありました。

そして私が通っていた大学は、あの事件のあった場所の近く。

件の集団の勧誘場所としてはうってつけ、とされていた大学です。

 

その時点で心臓がドクドク鳴っているのが自分でもわかりました。

今すぐ出ないと、ここから帰れないかもしれない。

この同好会は入っちゃいけないやつだ。絶対そうだ。

 

この時、確信を得るために私は質問をしたのです。

「道場ってどんな感じなんですか?写真とかありますか?」

「ああ、見せてやるわ」

会長さんはノーパソに入っていた写真を見せてくれました。

 

畳の部屋に、仏教画が壁に飾られて、白い布で覆われた祭壇みたいなものが設えられている中で、ジャージとか白い服を着た人達がヨガっぽい所作をしている風景。

で、そこで私は見つけてしまったんです。

壁に飾られた額縁の中、少し小さめの額に掲げられたもじゃもじゃ頭とひげと紫色の服を着た人物像を。

 

やっぱり、これオ●ムだ…………

 

写真を見せて貰いつつも、「すみません!バイトの時間があるので失礼します!!」とそそくさと逃げるように帰りました。

学部と名字は知られてしまったけれど、携帯番号などは知らせる前だったのが不幸中の幸い。

 

あれ以降、インド仏教と死生観の講義は開始ギリギリに教室に入り、終わったら即行で退室する、を2ヶ月続ける羽目になりました。

構内移動中も、話しかけてきたあの二人組がいないか常に警戒していました。

一応、学務にも報告しましたが、「被害と証拠がない以上学校側としては動けない」と言われるだけにとどまりました。

 

ちなみに匿名掲示板などで調べたところ、やっぱりビンゴでして。

「一人で行動しているやつは狙われるぞ、友達欲しいからってホイホイついていくやつは馬鹿」とまで書かれていました。

ホイホイ行った自分はまさにそれでした。

 

更に色々調べると、大学祭でも1度だけこの教祖を呼んだ事があるとかないとか。

生ダラとかにも出ていた時期と重なっていますから、この頃は殺人教団扱いされていなかったんでしょうね。

道場開設絡みのトラブルはそこから2,3年後の話。そこからサリン事件でしたから。

 

現在はこの同好会、HPにも載ってないので解散しているか、名前を変え、表にも出ずに今でも密かに学生を狙っているのかもしれません。

 

この教団がらみであってもなくても、宗教勧誘は色んな所に潜んでいるので皆は気を付けてね!!!